百地外伝~夢と希望
「小太郎先生、夢子をありがとうございます。
夢子、どう、気分は?
食事の前にシャワー浴びれる?」
階段を登り切り、別荘に続く緩い坂道を歩いていると、服を着替えた翔があたし達に駆け寄ってきた。
「うん、その方が気分がすっきりするかな、多分ゆっくりなら歩けると思う」
「そうだな、それがいい。じゃ、ゆっくり、降ろすよ」
あたしは小太郎先生の腕から、注意深くゆっくり、足元から地面に降ろされた。
最初は足に力が入らなくてグラついた。
でも直ぐ体勢を立て直し、ゆっくり一歩を踏み出してみる。
翔の差し出す手をしっかりと握り、足元を見ながら一歩一歩と足を前に動かした。
「うん、大丈夫みたい」