百地外伝~夢と希望
「親父、何か知ってんのかよ?」
「いや、はっきりとは言えないが、百地忍……
百地心波の孫か?」
おじ様は遠い目をして、考え込んだ。
「誰、それ、そのももちしんぱって?」
「二十世紀最後の忍びと呼ばれた伝説の男だ。
そして『他心通の術』の達人」
「はぁ~
何だよそれ?
『他心通の術』って?」
「簡単に言うと、『人の心を読む術』ってことかな」
「人が何を考えてるか分かるってこと?」
「人の考えを探るにはだな、周りの状況から察する、集めた情報により推測する、相手の顔色や態度から読み取る、など色々な方法がある。
だが、彼の場合は、一種の勘というか、あたかも自分のことのように人の心を読み取る能力に長けていた」
「それって、超能力じゃね?」
「今どきに言うと、そういうことかな」
「なんか、現実離れした話だな」
翔が困った顔してあたしを見た。