百地外伝~夢と希望
「うん。
あのね……、あたしと百地は心の中で繋がってるんだ。
あたしが心の中で呼ぶ声が、百地にだけは聞こえるの」
「テレパシー?」
「う~ん、わかんない。聞こえるのは百地の声だけだし」
「それって、他心通の術のひとつ?」
「かも……
百地にも、はっきりとは分かんないらしい」
「夢子が百地の夢を見た時から、俺、こうなることはある程度予測してた。
戸隠の家に生まれた巫女には、必ず守護者が付き添うのが常だから。
巫女と守護者の関係は、それこそ一心同体。
俺は、百地が現れるまでのつなぎに過ぎない」
翔の冷静な言葉に、あたしの方が驚きを隠せないでいた。