百地外伝~夢と希望
「そうだね、翔がそうしたいなら、あたしはそれでいい」
翔があたしの側にいてくれるなら、それでいい。
「まぁ、夢子の王子様は百地ってことで、邪魔はしないから」
「なに? それ?」
「べつにぃ~」
翔の顔はもう完全におちょくりモードだ。
あたしが真っ赤になって怒るのを見て、楽しそうに笑ってる。
翔はあたしを元気にしようと、わざとけしかけてくれたんだ。
そんな翔の優しい気持ちに気を取られ、あたしは藤林の長が翔に託した本当の意味を、真剣に考えることを止めてしまった。
翔が心に秘めた決意の意味も……
百地が、あたしのこれからをどう変えていくのかも……