百地外伝~夢と希望
「あっ、夢子、今日はハイキングだから、長ズボンね」
あたしの動きを確認するように、翔の声が追ってきた。
「はぁ?」
「紫苑先輩が、今日の予定は、この少し上の展望台までハイキングだって」
そう言えば、そんな予定だったかも。
あたしは、鉛のように重い身体を引きずって、クローゼットから服を取り出した。
ゆっくりとした動きながら、あたしは確実に着替えていく。
頭はしっかり始動しているのだ。
パジャマを脱いで、ベージュのチノパン履き、白とピンクの縞々のTシャツを被り、その上からブルーの薄手の長袖パーカーを羽織った。
これで完璧でしょ。
「翔、完了。行こっか」
身体半分眠ったままで、翔に手を引かれ、食堂に下りる。
途中、洗面所で無理やり顔を洗わされた。