百地外伝~夢と希望

「ユタはどうする?」

百地が突然、ユタを名指した。


「僕は残りますよ、合宿は一週間の予定ですし」

「ユタ……」

「紫苑先輩、最初に戻っただけですよ。もともと、夢子はこの合宿に乗り気じゃなかった訳ですし、藤林さんと百地君も夢子のナイトとして来た訳ですし」

「確かに、そうだけど……」

「僕一人じゃ不服ですか? それとも僕も帰った方がいい?」


「そんなこと……」


「残りの合宿、二人でも頑張りましょう!

明日からは、予定してた作品の検討会や秋の文化祭に出す文集の内容もちゃんと検討しましょう!

やらなきゃならないこと、沢山ありますよ、紫苑先輩!」


畳み掛けるようなユタの説得に、紫苑先輩は口を挟む間もなかった。


ユタの強引さは健在だ。
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