百地外伝~夢と希望
「……それって、結婚できるのかな?」
あたしの心の声が、思わず口に出ちゃった。
だって、百地くんはあたしの王子様なんだもん。
「なんだぁ?
夢子ちゃん、一目惚かぁ?」
「百地は夢子の夢に出てきた王子様なんだってさぁ~」
翔がそう呟くと、
「それは、本当か?」
って、おじ様の顔がみるみる厳しく変わっていった。
「何だよ、親父?」
「夢の話だ」
「何だよ、そんなに深刻な話なのかよ?」
「おじ様?」
あたしはちょっと不安になって、おじ様の顔を覗きこんだ。
だって、おじ様はあたしの夢の話には、いつもとっても敏感だから。
「あぁ、すまない。
いや、たいした事じゃない。
大丈夫、夢子ちゃん、ハトコは結婚できるよ、心配しなくていい」
あたしの不安を打ち消すように、おじ様は飛び切りの笑顔であたしの頭を優しく撫でてくれたけど。