百地外伝~夢と希望
「百地、夢子のことは俺が引き受けた」
何?
何の話?
何か、あたしをそっちのけで話が進んでいませんか?
「良かろう。わしらの意思は全てお前に引き継がれる。それで良いな?」
「はい」
「では、時が満ちるまで待つがよい。わしらにも準備がいるでのう」
って、ちっとも良くないよ!
『全て俺が背負う』って、『夢子のことは俺が引き受けた』って、何勝手なことばかり言ってんの?
百地、あんたはあたしを置いて何処かへ行くつもりなの?
「どういうこと? あたしにはちっともわけわかんないよ!」
あたしを完全に除け者にして進む話に、もうどうにも堪え切れなくなって、あたしは思わず叫んでいた。
「夢子、落ち着け……」
百地の手が、あたしの頭をくしゃっと撫でた。
「俺は何処にいたってお前と繋がってる。お前が呼べば、何処にいたって答える」
「でも、でも……」
「俺の能力は程なく、俺の手には負えなくなる。
それを制御する術を知っているのは、じっちゃんしか居ないんだ。
そして、お前と対になる為、お前の全てを引き受ける為には、この伊賀の里のもつ英知を全て知る必要がある」
百地の言葉は確信に満ちていた。