百地外伝~夢と希望
「忍は修行に入るのじゃ。忍術三活法を本格的に学ぶためにのう」
「忍の場合は、特別じゃでのう、英才教育付きじゃ」
と、長が顔を皺くちゃにして笑った。
「その道の第一人者を集めるのに、まぁ、一年はかかるでのう。それまでは今まで通り、気楽に里で暮らすが良いぞ」
「忍術三活法って……」
「あぁ、錬活、薬活、妙活の三活法のことだよ。
錬活とは所謂、体力のこと。走る、飛ぶ、泳ぐ、と身軽さも含まれる。
薬活とは薬草、火薬などの科学知識のこと。この内、整体術は藤林家の専科だけどね。
そして、妙活とは対人術のこと。人格的な魅力、対人交渉術、と情報処理能力も含まれる。
一般的な忍術三活法は、根来の者なら必ず習得しなくてはならないものなんだ」
まるで諳んじたように、あたしの問いに答えたのは翔だった。
「忍には、この一般的な忍術三活法に加えて、『他心通の術』と『最先端科学』を学んでもらうでのう」
「さいせんたんかがくぅ!」
一気に並べた立てられた、百地のこれからに、あたしは只目を丸くするばかりだった……