百地外伝~夢と希望
「リン、もし地獄に落ちようとも、お前一人を苦しませはしない。
お前の対となるからには、その覚悟はできている。
死が二人を分かつまで、共に歩もう」
その言葉の重みを噛みしめるより先に、あたしの身体は心波で満たされていた。
熱い抱擁と接吻。
あたしの胸をまさぐる彼の手は何処までも優しく。
微かに残る草いきれと、そよぐ風と。
夜空に一際明るい星が登る上る頃、あたし達は一つになった。
叶わぬ夢を求めた報い。
満たされた身体に巣食う畏れ。
その果ての狂気。
嗚呼……、でも、あたしは幸せでした。
心波……、だからもう苦しまないで……