百地外伝~夢と希望


手を繋ぐことにはもう抵抗は無くなったけれど、何故か夏以降、百地が手を差し伸べてくる頻度が多いような気がするのは気のせいだろうか?

そんなことを漠然と考えていた。


『やっぱ、わかる?』

『へ?』


急に届いた百地の声にドキッとした。


『夏以降、どんどん俺の超能力、強くなってきてるみたいでさ。

何もしなくても他人の心の声が聞こえちまうんだ』

『ほ、ほんと?』

『何故かな、お前に触れてる時だけは、その声が聞こえない』

『な、なんでかな?』

『たぶん……、お前と繋がってるから……』

『そ、そっか』


何故か無性にはずかしい。


『お前に触れてる時だけ、心が休まる』


繋がれた手に力がこもった。


こんなあたしでも百地の役に立っているのだと思うと、嬉しかった。
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