百地外伝~夢と希望
あたしは思わず声の方へ振り向いた。
隣りでは、百地が肩を震わせて笑いをこらえてる。
「翔、今度の日曜は一緒に勉強する約束だよ」
あたしはちょっと口を尖らせて二人の会話に割ってはいった。
「あっ、そうだった、すいません紫苑先輩、こいつ俺が勉強見てやんないとヤバイんで」
翔があたしに向かって、ニッコリ微笑んだ。
「先約じゃ仕方ないわね。じゃ、あたしもそのお勉強に混ぜていただこうかな」
「はぁ?」
「あら、あたし一応三年だし、経験に基づいた山はりできるし、お力になれてよ」
翔の前だと紫苑先輩はお嬢様然とした強引な態度を崩さない。
どこまでも積極的で手強かった。