百地外伝~夢と希望
はっきりと憶えてる。
夢の中、王子様があたしの手を取って、じっとあたしの目を覗き込んだ時のこと。
「僕がずっと君を守るから……」
彼は力強い声ではっきりとそう言った。
手に今も残る、力強い感触、込められた熱。
見上げた視線、切れ長の目、日焼けした肌、通った鼻筋、きりりと引き締まった口元。
そして、右の眉の下に薄っすらと残った傷跡。
見間違える筈ない。
あれは確かに、百地だった。