百地外伝~夢と希望
「おじ様、頑張ってね」
「おう、夢子ちゃん、少しでも可能性があるならな、やってみないとな」
「忍者の秘術が、こんなところで役立ってるってのも、なんか変だよな」
翔が、突き放したように呟いた。
「おじ様のも忍術なの?」
「忍術と言えるかどうか……、まぁ、藤林家に伝わる秘術ではある」
「そうなんだ……」
「藤林家は代々長の家系として、村人の健康を守る役も担ってきたんだ。
整体術とは、今でいうところの医術にあたる」
「薬活の一環ってことだろ?」
翔が冷めた声で付け足した。
「まぁ、そういうことだ」
いつも柔和なおじ様の顔が、厳しく引き締まった。