百地外伝~夢と希望
あたしの声がやっと百地に届いたのか、百地の進む足がいきなり止まった。
「夢子、ごめん……」
申し訳なさそうに、そう呟きながら百地が振り返った。
「ごめん、俺、夢中で……
お前に話さなきゃいけない事があって……」
「もしかして、博君のこと?」
あたしは、何故か博君のことを考えていた。
博君の夢を見た時から、なんとなく感じていた、二人の間にある強い絆。
きっと、二人の間には、あたしにはわからない秘密があるんだろうって……
でも、その秘密は、あんたをそんなに苦しめるようなものなの?
「夢子はいつもはぼ~っとしてるのに、ここぞって時には勘がいい」
百地の強張った顔が、すこし緩んだ。