百地外伝~夢と希望
あたし達が立ち止まったのは、丁度体育館へ通じる渡り廊下の真ん中だった。
「こんなとこで立ち話もなんだから……」
急に落ち着きをとりもどした百地に手を引かれ、連れていかれたのは体育館裏。
そこには荷物搬入用の駐車場があり、その縁に二人で腰をかけた。
「どこから話せばいいのかな……」
百地の目は、どこか遠くを見つめていた。
「夢子はどんな話を聞いても、俺から離れていったりしないよな?」
百地の不安そうな声は、少し震えているようだった。
「当たり前だよ、あたし達は『対の者』なんだから」
あたしは、できるだけ冷静を装って、正直に答えた。
百地……、何を恐れているの?