百地外伝~夢と希望
「今日、席替えじゃね?」
翔の言葉にドキンとする。
まぁ、新学期お決まりのイベントだけど。
「翔の隣りがいいなぁ~」
「女同士はないんじゃないか?」
「そっか、そうだよね……」
「大丈夫、心配するなって、俺がついてるだろ?」
「うん、同じクラスだもんね、席なんて関係ないよね」
あたしって、どこまで翔に頼ってるんだろ。
もう中学生なんだもん、少しは自立しなくちゃ駄目だよね。
でも、やっぱり不安だな。
「今日は夢、見なかったのか?」
「うん」
「じゃ、ゆっくり寝られた?」
「うん」
「そっか」
翔は毎朝、こうやってあたしの調子を気遣ってくれる。
だからついつい甘えちゃう。
いつまでも子供でいられないのは分かってるんだけどね。