百地外伝~夢と希望
「おはよ、お二人さん」
そう言って、あたしの頭を後ろからクシャっと撫でるのは、百地?
「また、おまえ、夢子に何すんだよ!」
あたしは背が低いから、丁度撫でられ易い位置に頭があるんだよね。
「何って、朝の挨拶だろ?」
全然悪びれない、百地。
「田中、文芸部あるぞ、この学校。
良かったな」
「へっ?」
あたし、巣頓狂な声出しちゃった。
だって、あんまりびっくりしたから。
(何で?)
また、何であんたがあたしが文芸部入りたいって知ってんのさぁ?
百地は、ズンズンと足早にあたし達を追い越して行く。
「夢子……」
翔もあたしの驚きを察して、心配そうにあたしの顔を覗きこんでいた。