百地外伝~夢と希望
なんだかイライラする。
「これは僕の宿命ですから。
僕の家系は元々大柄なんです。
言ってませんでしたっけ、父さんも180cm、兄貴も188cm、母さんだって175cmはあるんです」
「そうやって、みんな、あたしを置いてきぼりにするんだ……」
「僕はどこへも行きませんよ。
って、百地くんだって、ちょっと休んでるだけでしょう?」
「だといいんだけどね……」
「……それって」
ユタ驚いた顔であたしを見た。
「あたし、もう帰る」
「夢子!」
ユタの呼び止める声も耳に入らない。
あたしのイライラは不安に変わっていた。
ズンズンと教室を出て歩き出す。
あたしは不安の答えを求めていた。