百地外伝~夢と希望
「翔、やったね。前と後ろだよっ!」
翔と手を取り合って喜んでると、あたしの隣りに座ったのは百地?!
「よっ、邪魔するぞ」
「えぇ~っ、ありえなぁ~いっ!」
あたしは思わず叫んでしまう。
胸の鼓動が早くなる。
マジ?
ありえない。
無理、絶対無理!!
「田中、声でけぇよ……」
百地が戸惑いがちに呟いた。
いきなり王子様の隣りなんて、無理、絶対無理!!!
「あの……、ここいいかな?」
「はぁ?」
翔の素っ頓狂な声に振り向くと、
「ここ、僕の席だと思う。
なんか、ここ妙にテンション高いね」
と言いながら、翔の隣りに、あたしと同じくらい背の低い男子が腰を下ろした。