百地外伝~夢と希望
「随分親密な関係にみえ……」
「ユタ、あんたまで何言ってんの!」
あたしは思わず怒り心頭、机を<バン!>と手のひらで強く叩いた。
嗚呼、手が痛い……
「百地とあたしは、そんな変な関係じゃない!
もっと、もっと、純粋に、お互いを必要としてるだけだよ!」
「夢子……」
あたしの目には、涙が溢れていた。
百地はきっと、今あたしが感じてる、こんな気持ちをずっと、ずっと一人で受け止めて来たんだ。
ユタがあたしに言葉にして伝えた疑問を、みんなの心の中に感じて、あたしがいつかこうして傷つくのを畏れて……
『忍……』
あたしは、心の中に百地を念じた。
百地と繋がるために。
『夢子? 何処?』
『ユタと文芸部……』
『もしかして、泣いてる?』
『うん……』
『待ってて、今いく』
「ユタ、百地がくるよ」
「えっ?」
「あたしが、今、呼んだの」
「えっ? どうやって」
「心で念じて……」
ユタはあたしの言葉に驚いて、只じっと黙ってあたしの顔を見つめていた。