百地外伝~夢と希望
「僕は、その時まで夢子を守る! 百地くんのかわりに。
それが今の僕にできる役割だと思うから」
そう言って、ユタは百地とあたしを交互に見た。
「誓ってくれるか?」
「嗚呼……」
ユタは静かに右手を百地に差し出した。
百地がすかさずその手を掴む。
「僕、小林豊は田中夢子を守ることを誓います」
二人の握り合う手に力がこめられ、誓いはたてられた。
「ありがとう、これで安心して行けるよ。
夢子の側には翔がいるけど、やっぱり翔は女だし、男のナイトも必要だ」
百地の言葉にユタが静かに頷いた。
「百地くんの人選は正しいと思いますよ。
自分で言うのも何なんですが、僕ってかなり頼りになりますよ」
二人の間に交わされた誓いは、友情ゆえか、それとも人類の未来のためか……
「夢子」
ユタがあたしに目を向けた。
「これからも宜しく」
あたしは、胸がジンと熱くなった。