百地外伝~夢と希望

「ごめんね、高橋君。

翔、こう見えても優しいとこあるから……

怖がらなくていいよ」


「はぁ……」


信じてないね。

高橋君の身体、翔からなるべく離れようと、通路にはみ出しそうになってるよ。


「お前らって、ほんと変だな……」

「変って、どういうことだよ?」

「だって、ちょっと見、藤林の方が威勢が良くて強そうだけど、実は田中の方がしっかりしてるみたいだし」

「良く解ってんじゃん。

そうだよ、俺は只のナイトで、夢子が姫なんだ」


「翔、変なこと言わないでよぉ」



「じゃ、俺もそのナイトに名乗りを上げるかな」


百地は実際、真面目な顔で、ケロリとそんな言葉を口にした。
< 34 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop