百地外伝~夢と希望
「ごめんね、高橋君。
翔、こう見えても優しいとこあるから……
怖がらなくていいよ」
「はぁ……」
信じてないね。
高橋君の身体、翔からなるべく離れようと、通路にはみ出しそうになってるよ。
「お前らって、ほんと変だな……」
「変って、どういうことだよ?」
「だって、ちょっと見、藤林の方が威勢が良くて強そうだけど、実は田中の方がしっかりしてるみたいだし」
「良く解ってんじゃん。
そうだよ、俺は只のナイトで、夢子が姫なんだ」
「翔、変なこと言わないでよぉ」
「じゃ、俺もそのナイトに名乗りを上げるかな」
百地は実際、真面目な顔で、ケロリとそんな言葉を口にした。