百地外伝~夢と希望

その日の放課後、高橋君と一緒に入部の挨拶に屋上の文芸部へ行った。

毎日来てる、と言う園部部長の言葉通り、職員室に鍵はなかった。

きっと彼女は今日も部室にいる。

何故か高橋君の手には、チョコパンが三つ入った購買部の袋。


「どうせ奢るなら、園部さんと一緒に食べたい」

のだそうだ。

ノックして、「お邪魔しま~す」と、扉を開けた。

いきなり、『パァ~ン』と大きな音がして、微かな火薬の匂いが立ち込める。


目の前には、飛び切りの笑顔であたし達を見つめる園部部長の顔。

手にはクラッカーの残骸。


あたし達の頭には、細長く切られた色取り取りの無数の紙紐が蜘蛛の糸のように振り注ぎ、その隙間から金銀のラメが舞い降りた。
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