百地外伝~夢と希望


「入部、おめでとう!

来ると思ってた!

お祝いだ!」


そんなに喜ばれると、ちょっと恥ずかしい。

取り合えず入部してみるか、なんて軽い気持ちが後ろめたくなってくる。


「こんな歓迎されるなんて、嬉しいな」

高橋君は、ちょっと顔を赤らめて頭を掻き、

「あっ、これ差し入れです」

と、持ってきたチョコパンを差し出した。


「部長と一緒に食べようと思って」

「おう、嬉しいこと言ってくれるじゃん……」


と、園部部長の目には涙が溜まってる。

そんな園部部長を見て、高橋君はほんのり顔を赤らめた。


園部部長のことを『観察し甲斐がありそう……』と言っていた彼の言葉は、嘘じゃないんだってわかったよ。
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