百地外伝~夢と希望
それから、三人で、園部部長の用意してくれたウーロン茶と高橋君の奢りのチョコパンを食べた。
チョコパンは夢の通り、凄く美味しかった。
でも、あたしは、まるで不思議の国のアリスのきちがい帽子屋のお茶会に呼ばれたみたいな変な気分。
席には着いたけど、次に何をすればいいのか皆目検討つかない。
「で、二人さえ良ければ、この部の特別顧問としてあたしのパパを呼ぼうかなって思ってる。
あっ、あたしのパパって、推理作家の『園部小太郎』なの。
どおかな?」
「うわぁ、それ、願ってもないです。
僕、園部先生の大ファンなんです!」
「あたしのパパ、ああ見えて繊細なとこもあってさ、昔は詩も書いてたらしいんだよね。
宇宙の塵がどうだとかこうだとか、あたしには良く解んない内容の詩だったけど。
だから、田中さんの作品指導も少しはお役に立てるかなって」
「あ、ありがとうございます。
でも部長、作品指導だなんて、あたしのは只書いてるだけで、人にも見せたことないし、自己満足なんです」
「駄目だよ、仮にもこの文芸部に入ったからには、作品は発表してもらわないと!」
「はぁ?」
あたしは園部先輩の勢いに、ただ目を丸くするばかりだ。