百地外伝~夢と希望


次の朝、あたしは六時に起きておむすび握った。

だって、朝連してお腹すくでしょ?


それにさ、良く考えたら、あたし一昨日、百地に助けて貰ったお礼してなかったって気がついたの。

まぁ、そのお礼も兼ねてね。差し入れ。


「おはよ、翔」

「おう、夢子、悪いな」

「これ、差し入れのお結び。

朝連終わったら、百地と食べて」

「わぁ、さすが夢子、気が利くじゃん。

腹減るんだよね、朝連するとさ」

「一昨日、助けて貰ったお礼、してなかったしさ」

「えっ、嗚呼、あのことね。

いいんじゃない、気にしなくても。

奴は夢子のナイトなんだし」

「もう、その、ナイトっての、止めてよ」

「じゃあ、何て言うのさ?

『白馬の騎士』とか?」

「か~け~る~もっと悪いよ~」


走って追いかけたけど、翔に追いつくはずもない。

あたしには朝連、必要ないんだけどな。

もう……息切れるよ。
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