百地外伝~夢と希望
「朝から熱、入ってんじゃん?」
後ろから頭をぐしゃっと撫でられた。
その声は、百地?
「お、おはよう、百地君」
「なんでお前、こんな早いの?」
百地が、あたしをじっと見る。
や、やめてよ、恥ずかしいじゃん……
「おう、百地、それがさぁ……」
って、翔が昨日の顧問の話を始めた。
「で、翔も朝連参加ってわけ?」
「だって、身体慣らしておいた方がいいでしょ?」
あたしは、当然でしょって言わんばかりにきっぱりと言った。
「お前なぁ、走れば走るだけ良いってもんでもないだろ?」
「俺、走れば走るだけ早くなるタイプだから。
なぁ、夢子!」
「ねぇ、翔!」
「お前ら、どんだけ仲いいんだぁ。
まぁ、俺も走れば走るだけ燃えるタイプだから、気持ちは分かる。
おい、翔、行くぞ」
百地はそう言うと駆け出した。
「百地、待てよ!
じゃ、夢子、後でな」
そう言うと、翔もその後を追って駆け出した。