百地外伝~夢と希望
「あぁ、疲れた! もう、無理!」
珍しく翔が弱音を吐いた。
「夢子のお結びが無かったら、死んでた」
翔が机に突っ伏して呟いた。
「美味かった」
あたしの横から、百地の声が聞こえた。
「そう、良かった。
あたし、夏の大会、応援行くって決めてるからね」
百地がどんな顔して言ったのか気になって、少しだけ視線を横へと移した時。
「それって夢のお告げ?」
百地があたしの方を振り向いた。
(ああ、びっくりした……)
「ち、違うよ……、あたしの希望」
「了解」
百地が笑って頷いたんだ。