百地外伝~夢と希望
「三人で、何、仲良ししてるんですか?
僕も混ぜて下さいよぉ」
狼狽えるあたしの前に立っていたのは高橋豊。
「何って、別に」
翔が机に突っ伏したままぶっきら棒に呟く。
「夏の大会って何ですか?」
「うるさいな、まだ決まった訳じゃないんだから、ごちゃごちゃ言うなよ」
翔が面倒臭そうに、言い放った。
「まぁ、まぁ、翔、疲れてるのは分かったから、そう怒らないで。
高橋君、驚いて…」
以外にも、高橋豊は翔の態度に驚いたわけではなく、彼の睨みはどうやらあたしに向かっているようだ。
「なに?」
「夢子、ユタって呼ぶ約束……」
はぁ、ひっかっかたのはそこですか。
仕方ないなぁ。
「ユタ、まだ内緒だけどね、今日の陸上部の記録会で良い記録が出せたら、一年だけど特別に夏の大会に出場させて貰えるんだって……」
あたし、小さい声でユタに囁いた。