百地外伝~夢と希望
「翔? また校長室?」
あたしは、悪夢が蘇って声が上ずった。
「そうだよ!」
「ま、待ってよ、ちょっと、落ち付いてからにしなよ!」
あたしの横を足早に通り過ぎる二人を、追いかけた。
ユタも何故だか付いて来る。
「翔、田中の言う通りだよ。
校長に直談判に行くにしても、落ち付いてからにしろよ。
怒りをそのままぶつけても良い結果は得られないぞ」
翔に追いついた百地が、翔の腕を掴んだ。
「そうですよ、藤林さん、こういう場合、校長は先生の肩をもつものです。
君は不利ですよ」
「分かったこと言うなよ、高橋!」
翔がユタを睨んだ。