百地外伝~夢と希望
「で、俺ら、どうやって部活に戻るんだよ?」
翔が珍しく、不安気に百地を見た。
「取り合えず、頭は下げる」
「……」
翔は無言で唇を噛みしめたけど。
「翔、先生の面目を潰さないことも、学校で上手く立ち回る鉄則だぞ!
ただし、
『部活を勝手に抜けて、すいませんでした』ってことでな。
必要以上のことを謝罪する必要はない。
俺達にだってプライドってもんがあんだろ?」
「わかった……」
「じゃ、俺ら、部活に戻るから」
「うん、じゃ、あたし、先に帰るね」
「高橋、ナイト、宜しく」
翔がユタの肩をポンと叩いた。
「何だよ、それ?」
ユタは怪訝そうに翔の顔を見つめる。
「いいの、ユタ、気にしないで」
あたしは答えに困って、取りあえず否定した。