百地外伝~夢と希望



「で、俺ら、どうやって部活に戻るんだよ?」



翔が珍しく、不安気に百地を見た。


「取り合えず、頭は下げる」

「……」


翔は無言で唇を噛みしめたけど。


「翔、先生の面目を潰さないことも、学校で上手く立ち回る鉄則だぞ!

ただし、

『部活を勝手に抜けて、すいませんでした』ってことでな。

必要以上のことを謝罪する必要はない。

俺達にだってプライドってもんがあんだろ?」


「わかった……」


「じゃ、俺ら、部活に戻るから」

「うん、じゃ、あたし、先に帰るね」

「高橋、ナイト、宜しく」


翔がユタの肩をポンと叩いた。


「何だよ、それ?」


ユタは怪訝そうに翔の顔を見つめる。


「いいの、ユタ、気にしないで」


あたしは答えに困って、取りあえず否定した。
< 79 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop