百地外伝~夢と希望
あたしの少し先を黙って歩く百地の背中を見ながら、あたしの頭は答えを求めてグルグル回っていた。
そうだよ、そんな深い意味なんてないのかも。
いつも翔の横にいるあたしには、あたしなりの実感がある。
可愛いって言っても、程度があるし。
小さくて可愛いってことじゃない?
蓼食う虫も好き好き、って程度の慰めとして受け取っておくことにしよう!
学校に着く頃には、あたしの動揺もすっかり落ち着いて。
少しは周りを見る余裕も戻ってきた。
そんなあたしの目に、校庭を走る翔の姿が写った。
翔もあたし達を見つけたのか、こちっへ向かって走ってくる。