百地外伝~夢と希望

「おはよ、夢子。百地、ナイトご苦労!」

「おう」

「おはよ、翔。きょうは気分いいね」

「夢子も良く眠れたみたいだな」

「うん」

「何だ、お前、不眠症か?」


百地が急に振り向いた。


「そうじゃないけど、寝れない時も、ある」


特に夢見た日。

夜中に起きるとそのまま眠れない。


「あっ、そういう時こそ、俺を呼べよ」

「はぁ?」

「首の後ろの眠りのツボ、押してやるよ」

「はぁ?」

「マジ、百地秘伝の眠りのツボだ。効くぞ~」


夜中にあんたは呼べません!

無理、無理!!


「念じれば通ず、ってな」


あたし、百地の言葉に驚いて、その顔を見上げた。

こいつ、マジかな?

見上げたその眼は、あたしの考えてることなんて何でもお見通しって感じ。

百地は静かに笑ってた。
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