百地外伝~夢と希望
「じゃ、夢子、教室で」
翔は百地とあたしの様子を見て、笑いながら駆けてった。
この状況で置き去りにするって、ひどいよ……
「おはよ、夢子、百地君、お揃いで…」
振り向くと、ユタがいた。
翔はきっと、ユタが後ろから来てるのが見えてたんだね。
「おはよ」
「なんで、一緒に登校なんですか?」
並んで歩くあたし達を、ユタが不思議そうに眺めた。
「一緒って、訳じゃないよ、たまたまだよ」
「そう、たまたま、迎えに行って、たまたま一緒に歩いて来たってだけ」
も~も~ち~、何であんた、そんな、余計なこと、言うの!
あたし、百地をキッと睨んだ。
でも、奴はそっぽ向いて、知らんぷり。
あたしの睨みなんて、全然効き目ない。