百地外伝~夢と希望
「それはそうと、百地君、僕、一晩考えました、忍者に相応しい現代の職業!」
「何だよ?聞かせろよ」
ニヤリと笑った、ユタの口から出た言葉は、
「スパイ」
「お前なぁ、それ犯罪だろ? 摑まったら、命ないぞ!」
「そうなんですかぁ~
じゃ、一つ格下げて、シークレットサービス」
「それもだなぁ、横文字でいかにもカッコ良さそうに聞こえるけど、用心棒みたいなもんだろ?
ぱっとしねぇなぁ、やっぱり」
「そうですか?
OO七みたいな秘密情報部員みたいなやつのことじゃないんですか?
日本にはないのかなぁ?」
「さぁな。
やっぱり、忍者なんて時代錯誤もいいとこなんだよ」
「僕、まだ諦めませんよ。
今書いてる僕の推理小説の主人公、忍術を使う忍者の末裔なんです。
彼のリアリティを出すためにも、ピッタリの職業考えないと…」
「まぁ、頑張れよ」
「百地君も思い付いたら教えて下さいね!」
「思い付いたらな」
やっぱり、ユタは油断ならない。
こいつ、何考えてんだろう?
あたし達の事、探ってんのかな?