この想いを君に…2
でも…

いつかは言わないと。

それは絶対…なんだけど。

決勝前に言うべき事じゃなかったなあ、なんて今頃思ってる。



「おお、睦海!」

祥太郎の声で振り返る。

「遅くなってごめん…」

むっちゃんは照れ臭そうに笑っていた。



…また、泣いた跡。



「大丈夫か?」

俺はむっちゃんの肩を握りしめる。

「うん、大丈夫だよ。
…光さんこそ、いいレース見せてよ?」

掌をギュッ、と握りしめてむっちゃんは俺の腹に当てた。

「…任せといて」

そう言って一瞬だけ、その体を抱きしめてすぐに離れた。
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