この想いを君に…2
「というわけで…」

今日は先生2人と一緒に家に帰って来た。

ママには先に連絡を入れたらめちゃくちゃ張り切って料理を作って待っていて。

卒業以来、生活に必死で先生と会うのは17年ぶりらしい。

「…ずっと気にしていたんだよ。
何にせよ幸せそうで良かった!」

体育の先生が微笑むとママもニッコリと笑っていた。

「一時期は平野さんが後を追うんじゃないかってみんな心配してたのよ」

家庭科の先生がそう言うとママはハハハ、と渇いた笑いをする。

「柏原くんが亡くなった上に更に子供が出来てたなんて…
きっと大変だったと思うけど、本当に今、幸せそうで良かったわ〜」

ママは頷いて笑った。



拓海くんの死は。

先生達にも相当なショックを与えていたんだなって思う。

でも、こうやって…

今は幸せなママを見て。

先生達も安心したみたい。
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