この想いを君に…2
「ただいま」

やがて、玄関からパパの声が聞こえて。

更に一緒にやって来たのは。

「何、夫婦揃って家庭訪問?」

祥太郎だった。

ママが祥太郎にも連絡を入れていた。

「おお!元気か?」

体育の先生が嬉しそうに言うと

「そう言う先生は元気有り余ってる感じだね。
…子供も10人くらいいそう」

「あのなあ!」

先生は祥太郎の頭を軽く撫でた。

「10人はさすがに無理。
5人、いるけど」

「えっ?そんなにもいるの?」

祥太郎は苦笑いをしていた。

「でも、先生達も相変わらず幸せそうでホッとしたよ」

祥太郎は二人を見つめて

「どうか睦海をよろしくね。
案外、人付き合いが下手だから」

あたしは祥太郎の顔を思わず見つめた。



図星。



「屋上で一人でお弁当を食べてたから。
気になって声をかけたら、こういう事がわかって…」

体育の先生はそう言う。

「お前の兄ちゃんもよく一人で屋上にいたからさ。
きっと馴染めないんだろうなって思ってたけど」



やっぱり親子だよね、そういう所は。



しみじみとそう言われて。



あたし自身は意識していないけど、あたしの中に拓海くんがいるんだなって思った。
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