閉ザサレタ心、永久ノ呪縛
『孤独ナ少女、殺』
カザン王国。のどかで、とても安らかな気持ちにしてくれる場所。


そんな王国の城の地下に、一人の少女が眠っていた。
彼女は『ルージュ=ブレイクス』。


ある罪を犯した為に、城の地下に繋がれているのだ。



数年間牢に繋がれているが、少女にとっては、只の退屈にしかならない。










―――早ク出セ…





ルージュは血のように赤い瞳を揺らしながら、毎日同じ事を思う。





…そろそろだ。



ルージュは、ここ数年間で、兵士達の見回りパターン、癖、性格、歩く速さなどを完全に覚えた。



今、兵士が見回り交代する。今いる兵士は足が悪い。休養所に行くまで、十五分はかかるだろう。

そして、次の兵士は足が速い。いつも休養所から此処に来るまで、七分程で着く。



脱獄するとしても、この足の悪い兵士が完全に見えなくなってからではくては意味がない。


見付かったら、自分の罪が余計重くなるだろう。

だが、覚悟は既に出来ている。


逃げ道だって、既に出来ている。

計画は完璧だ。後は、自分がどこまで出来るかが問題だ。



「なぁ」


不意に声を掛けられ、我に返った。


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