初彼 -ハツカレ-
いつの間にか、
あたしの頬には涙は流れていなかった。
残っているのは
涙の跡と
喉の痛さ
頭の痛さ
心にかすかにある重み…。
「あ、久実っ!!」
「ぇっ…!?」
後ろを振り向くと、
少し遠くに飛希と彩貴がいて、
あたしを見ると、
走って駆け寄ってきた。
「も~っ捜したんだよ??
市丸先輩と木下先輩の
2回戦終わっちゃったよ」
って言いながら
あたしに近づく。
「どうしたのその目!!」
「何で泣いてんの!?」
何であたしが泣いてたの分かるんだろ…
凄いな…。
あたしでもわかるかな…??