初彼 -ハツカレ-
「中川ぁー」
遠くで檜野くんの呼び声が聞こえた。
「?」
「??」
あたしと飛希は顔を見合わせて首を傾げた。
「木場先輩が呼んでる」
遠くにある教室の前には
檜野くんと木積くんより高い身長の木場先輩。
木場先輩はこっちを見ていた。
こんなナイスタイミングで木場先輩が現れて
あたしは満面の笑み
飛希は赤面をして顔を伏せている。
「ほら、飛希行かないと♪」
「嫌だ」
って言って飛希はあたしを睨む。
「先輩がわざわざ来てくださったんだから♪」
飛希はそぅ言うと仏頂面をしながら
木場先輩のところへ行った。