初彼 -ハツカレ-
「あ、久実おかえりー」
「ただいまー」
さっきの部長達の声にビックリして
女子組みの体育館に走って戻ってきたんだ。
そこには少し不安そうな顔をした
飛希がいた。
大丈夫だよ。
って言いたいけど、
何だか言ったらいけない気がして言わなかった。
「川井先輩達次勝ったら準々決勝ですよね?」
「だよー応援よろしく♪」
「もちろんですよ♪」
『準々決勝』
って言葉にあたし達3人はびくついた。
木村先輩は3回戦で負けてしまって、
今残っているのは
萌先輩達と、
2番手の木下・桃野ペアのみ。
木下先輩達はさっき試合の待機に入った。
次のに勝てば、
今の萌先輩と同じ位置になる。
地区大会であたしが負けた先輩は、
今木下先輩と同じ位置にいて、
あと2回勝てば準々決勝になる。