初彼 -ハツカレ-




部長が下を向いて、

前を向いて、

何かを言うと、

萌先輩ははぁー…っとため息をして

部長に苦笑いをした。


その反応に部長はムキになったみたいに

がっついて、

その反応に萌先輩は笑う。

部長は恥かしいのか照れている。


何だか…

仲良しだ。



照れる部長を、

あたしは見たことが無い。



別に比べる物じゃないけど、

『彼女』と『友達・同級生』は

どっちが大切ですか??



でも、

何だか萌先輩に、

あたしが見たことの無い部長を

何万何千と見ていることが、

悔しかった。



あんな風に何も隠さないで

さらけ出して、

ありのままのあたしと部長を

出せる事が出来ないから。

その事が出来ている萌先輩が

羨ましくてならなかった。



あたしもあんなに近い存在になりたい。

あたしはときどき分からなくなる。

本当にあたしは彼女なのか、

本当に部長はあたしの事が好きなのか…。

『自信』

っと言う物は、

微塵も無い。






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