初彼 -ハツカレ-
気付いたら部長がいなかった。
トイレ!?
外!?
どっち??
体育館に戻ると、
さっきまで準備をしていたみんなが
あたしを囲んだ。
「「「「さっきの本当!!??」」」」
大きな声でみんなそぅ訊いた。
「そっそんなわけ無いじゃ――…
「新田先輩!!」
―――…え…?
「新田先輩!!
小泉に告ったのって本当ですか!?」
「……部長…」
あたしの小さな声で新田先輩が
部長が今ここにいるのがわかった。
「…………告ったよ。」
止めてください……。
部長がっ…見てる……。
止めてください
新田先輩……。
そんな、
部長に挑発するみたいに
そんな顔で言わないで……。
何も言わないで……?
何で、
飛希と彩貴まで
部長を睨むの……?
2人が怖くて、
外に一緒に出た。
「何であんな事っ…」
「何でって、本当の事言っただけだよ。」
「新田先輩の方が久実を大事にしてくれそうじゃん」
そんな事無い。
部長だって……
優しいよ?
「あの事だってたぶんあたしが悪いんだよ」
「違う。久実は悪くない」
「――――…でも、
部長の前では言わないで?
部長がかわいそうだよ……。」
顔を伏せて泣きそうになっている
あたしを見て、
「久実は優しすぎだょ……。」
2人がそぅ呟いた...