初彼 -ハツカレ-
そぅ送って、
ゆっくり顔を沈めた…。
ちゃぽんっ
っと音がする。
その音が少しだけ癒してくれた…。
落ち着く…。
部長から返事がきてほしいけど、
部長から返事がきてほしくない
自分がいる。
恐いんだ。
恐くて、
誰かに抱きしめてほしいって思う。
不安でしかたがない。
体が苦しくなって、
息苦しくなって、
目が熱くなって、
涙が出た……。
涙が出て、
お湯で顔をジャバジャバと
洗ってまた泣いた。
恐くて不安で、
心の中がそれでいっぱいです。
体をぎゅっと小さくする。
目の下がヒリヒリしてきた。
吐く息が熱い。
部長と、
もし、前のようになれたら……
会いたい。
話したい。
手を繋ぎたい。
触れたい。
抱きしめられたいです。
もぅ1度、
キスをしたいです。
「………っ……ぶ、…ちょ、ぅ…」
「何だよ………。」
「話があるんだ……。」
目の前にいる慎吾が、
やけに恐いと感じた。