初彼 -ハツカレ-
「そんで心ズタズタにされて
別れて笑われた。
俺のすんげぇ嫌な思い出。
今だって本当は言いたくなかった。
でも元に戻りたかった。」
「キスしたら馬鹿にされて
騙されてフラれて、……
だから、
“俺らしさ”を作ってたんだよ。
本当は
小泉に抱きつきたいし
キスしたいし
触れたい。
浩みたいに大胆になりたい。
でも止めるんだよッッ!!
アイツの声がぁ!!
“俺らしさ”を壊したら終わりって……
そぅ思って小泉の唇拭いた。
終わりたくないから
“俺らしさ”を守ったんだよ……」
ドクンッ ドクンッ
っと心臓が動く。
「でも今じゃぁそんなのいらない……。」
「いいよ。行けよ…小泉の所に…」
「え…」
「分かったからいい。
あとちゃんと小泉に説明しろよ。
絶対勘違いして泣くから…
それに小泉はあんな糞女じゃないからな」
「………………ありがとう…。」
部屋を出ようと足を廊下にだしたけど、
戻って慎吾の前に立って肩を掴んだ。
「小泉の事、本気じゃないだろうな……」
睨むと慎吾は小さく笑って
馬鹿にしたみたいに鼻で笑った。
「本気だったら?」
「許さない。」
そぅ言って部屋を出て家を出た。
「小泉……話がしたい。」
『……、…ぅん…』
「小泉の家、今から行くから…」
『…ゎかった…』
「じゃぁま――ブチッ…プープープー…」
「……切られた…」
小泉は電話をしたら自分から切ったりしない。
聞えた声が鼻声だった……。
自分のした事に罪悪感が湧き出した。