初彼 -ハツカレ-
ランニングだけで、
いつもより早く終わった部活。
体の表面は冷たいのに芯は熱い感じの体。
部室なのに吐く息が白い。
部長は部室棟の外で待ってる。
「先失礼しますッッ!!!!」
外はもぅ冬だから真っ暗だった。
急いで部室から出て
部室棟の階段も急いで降りた。
カンカンッと高い音がする。
階段の下に、
人影がある。
カンッカンッカンッカン……
「お疲れ」
「ッ///」
やっぱり……
部長だ……。
部長を見た瞬間胸がぎゅっとした。
「何で手袋持って来てないんだよ;;
さっきまでしてたじゃん;;」
「教室に手袋忘れてて……
さっきは………
………檜野くんが貸してくれて……」
部長って檜野くんの事嫌いなんだよなぁ;;
「そっか
じゃぁ今から教室行く?」
…………あれ…??
不機嫌な部長が顔を出さない。
むしろ笑顔だ。
「ぁ、……ぅん…」
「じゃぁ行くか」
カーキー色の上着は中がもこもこしていて
温かいって部長が言ってた。
かなり気に入ってるみたい。
あたしの手を握って
ポッケに入れて歩き出した。
「///」
「やってみたかった事♪」
クシャッと笑う部長。
「………///」
最近の部長は眼鏡からコンタクトにした。
そのせいか少しモテる。
眼鏡で隠れてたけど
けっこう綺麗な顔をしているのだ。
そんな部長がクシャッと笑ったら、
そんな笑顔が大好きなあたしは
きゅーんっ
っとなってしまうのです///
あたしは赤面して、
部長は少しニコニコしながら
教室まであるいた。