初彼 -ハツカレ-
明日だって部長は卒業式で、
朝も早い。
今日だってみんなとのお別れで、
寝れないかもしれない。
なのに、
こんなに暗いのに、
あたしはまだ部長と一緒にいたいって、
言ってしまった。
ごめんなさい。
「ちょっとだけな?」
「………うんっ!!!!」
あたしの家に部長の自転車を止めて、
家の近くにある公園に2人で行った。
本当に近くにあるんだ。
歩いて3分。
公園の裏にコンビニがあって、
温かい飲み物を買った。
公園のベンチに座って
いろんな事を話した。
いろんな話をしていると、
やっぱり寂しくなった。
明後日から部長はいないんだ。
学校にも、
家にも、
いないんだよね…。
学校には、
部長のいた面影しかない。
部長はいなくなる。
そぅ思うと、
涙が頬を伝った。