初彼 -ハツカレ-




すると久実はあたしの携帯を触って

あたしに画面を見せた。


「ほら、後はボタンを押すだけ」


画面には、大きな文字で

 佐野 優哉

の文字。

下には部長の携帯の電話番号。


本当に、

後はボタンを押すだけになっている。





「ってか後で連絡するって

言ったんでしょ??」



飛希はため息をして、
紅茶の入っているカップに口を付けて
あたしに訊いた。



「………ぅん…。」

「じゃぁさ…。
部長連絡無いと困るんじゃない?」

「…………。」




あたしはそれを言われると

何も言えない。





< 28 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop